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気象関連財務情報開示
タスクフォース(TCFD)に対する
2022 年のシスコの回答
2022 年 12 月 8 日時点

2021 年 9 月に発表された新たなネットゼロへのコミットメントに基づいて評価内容の見直しと更新を進めている段階です。

これまで、TCFD に対する回答にはシナリオ分析を含む多くの要素を織り込んでいて、今後の評価においてもこのアプローチを継続していきます。

最新の評価結果は以下のとおりです。

分析

TCFD ドキュメントでは、2 種類のレポートが指定されています。第 1 のレポートは、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の開示に関する、幅広く適用可能な 4 つの推奨事項です。

メトリクス サブメトリック 定義 情報開示
メトリクス:ガバナンス サブメトリック:取締役会の監視 定義:気候関連のリスクと機会に対する取締役会の統括について説明します。 開示内容:シスコ(以下「当社」)の取締役会(以下「取締役会」)の環境・社会・公共政策委員会は、環境の持続可能性およびその他の重要な企業の社会的責任(CSR)および公共政策事項に関するシスコのイニシアチブ、ポリシー、プログラム、および戦略を統括します。取締役会の報酬委員会は、従業員の採用、管理、育成(人的資本管理)に関わるシスコの実践項目、戦略、会社方針の策定と実施を統括します。これらの実践項目、戦略、会社方針は、多様性とインクルージョン、職場環境と安全性、および企業文化に重点を置いています。さらに、取締役会が、ESG に関する事項を含むシスコの全体的な CSR 戦略に関する最新情報を経営層から受け取ります。
サブメトリック:経営層の役割 定義:気候関連のリスクと機会の評価と管理における経営層の役割について説明します。 開示内容:シスコ(以下「当社」)の取締役会(以下「取締役会」)の指名ガバナンス委員会は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する事項を含む企業の社会的責任(CSR)に関するシスコのポリシーおよびプログラムを統括します。取締役会の報酬委員会は、従業員の採用、管理、育成(人的資本管理)に関わるシスコの実践項目、戦略、会社方針の策定と実施を統括します。これらの実践項目、戦略、会社方針は、多様性とインクルージョン、職場環境と安全性、および企業文化に重点を置いています。さらに、取締役会が、ESG に関する事項を含むシスコの全体的な CSR 戦略に関する最新情報を経営層から受け取ります。
メトリクス:戦略 サブメトリック:リスクと機会 定義:組織が短期、中期、長期にわたって特定した気候関連のリスクと機会を説明します。 開示内容:気候変動による物理的リスクは、現在の供給継続性の評価ですでに考慮されている要因によってカバーされています。COVID-19 への対応の一環として、シスコは、気候変動による操業(シスコ所有またはリースの施設)に対する潜在的な物理的リスクに対して、強い強靭性を示しました。ほとんどの従業員が簡単に在宅勤務に移行できるようになっています。シスコのコラボレーション テクノロジーと関連する企業文化によって、この移行が容易になりました。悪天候やその他の環境要因が従業員の個人生活に影響を与え、その結果事業運営や生産性に影響を与える可能性があります。
サブメトリック:組織への影響 定義:組織のビジネス、戦略、財務計画に対する気候関連のリスクと機会の影響を説明します。 開示内容:製品の規制や基準の変更(リスク)、新しい市場の創出や新しい市場へのアクセス(機会)の形で、気候変動のリスクと機会が製品とサービス活動に影響を与えています。規制や基準の変更に伴うリスク(製品の効率化、ラベリング、引き取りなど)は、シスコがこれらの要件への準拠を監視し管理し続けなければ、シスコの売上に影響を与える可能性があります。
サブメトリック:戦略の強靭性 定義:組織のビジネス、戦略、財務計画に対する、2°C シナリオを含むさまざまなシナリオの潜在的な影響について説明します。 開示内容:シスコの事業とサプライチェーンは、エネルギー、水、土地の利用効率が比較的高く、気候変動の影響を受ける可能性のある海岸地域での活動は限定的です。
メトリクス:リスク管理 サブメトリック:リスク評価
プロセス
定義:気候関連のリスクを特定し評価するための組織におけるプロセスを説明します。 開示内容:気候関連の情報は、全社的リスク管理(ERM)のプロセスで活用され、その結果は定期的に取締役会に報告されます。シスコは、CDP による年次質問書の炭素に関する事項への回答に気候リスク評価の詳細を含めています。
サブメトリック:リスク管理
プロセス
定義:気候関連のリスクを管理するための組織におけるプロセスを説明します。 開示内容:シスコは、公共的な目標を設定して、特定された環境関連のリスクに対処しています。その際に既存の ESG の重要性評価と実績報告のプロセスを活用しています。
サブメトリック:総合的なリスク管理への統合 定義:気候関連のリスクを特定、評価、管理するプロセスを、組織の全体的なリスク管理に統合する方法を説明します。 開示内容:気候関連の情報は、ERM のプロセスで活用され、その結果は取締役会に報告されます。
メトリクス:指標と目標 サブメトリック:気候関連の指標 定義:組織が戦略とリスク管理プロセスに沿って気候関連のリスクと機会を評価するために使用する指標を開示します。 開示内容:シスコは、持続可能性に関する年次レポートで気候関連の指標を報告します。持続可能性の重要性に基づいて目標を設定し、目標の承認と公表のプロセスを使用して、経営層の合意とコミットメントを確立します。どのレベルの経営層がこのプロセスに関与するかは、必要なリソースと事業部門間の調整に依存します。
サブメトリック:スコープ 1、
スコープ 2、
スコープ 3 の
GHG 排出
定義:スコープ 1、スコープ 2、スコープ 3(該当する場合)の温暖化ガス(GHG)排出量、および関連するリスクを開示します。 開示内容:

シスコのスコープ 1、スコープ 2、スコープ 3 の排出量は、持続可能性に関する年次レポートの中で報告され、ESG レポートハブで確認できます。

GHG 排出削減に関連する目標を含むシスコの環境目標は、ESG レポートハブで確認できます。シスコの目標は、環境への重大な影響を軽減し、リスクを軽減することを目指して設定されています。

GHG 排出削減に関連する目標を含むシスコの環境目標は、ESG レポートハブで確認できます。シスコの目標は、環境への重大な影響を軽減し、リスクを軽減することを目指して設定されています。

サブメトリック:気候関連の目標 定義:気候関連のリスクと機会、および目標に対する実績を管理するために組織が使用する目標を説明します。 開示内容:

シスコのスコープ 1、スコープ 2、スコープ 3 の排出量は、持続可能性に関する年次レポートの中で報告され、ESG レポートハブで確認できます。

GHG 排出削減に関連する目標を含むシスコの環境目標は、ESG レポートハブで確認できます。シスコの目標は、環境への重大な影響を軽減し、リスクを軽減することを目指して設定されています。

GHG 排出削減に関連する目標を含むシスコの環境目標は、ESG レポートハブで確認できます。シスコの目標は、環境への重大な影響を軽減し、リスクを軽減することを目指して設定されています。

TCFD が指定する第 2 のレポートは、TCFD の提言の最終報告書に示されている、気候関連のリスクと機会の説明です。シスコの場合を以下の表に示しています。

リスク リスクのサブカテゴリ 潜在的な影響
リスク:移行リスク 政策および
法令
潜在的な影響:

ビジネスに広範な影響を及ぼす可能性があるため、事業を展開している地域のおける関連規制を監視し遵守することは、ビジネスの推進に欠かせない要件です。コンプライアンス、法務、政府関連事項を担当するチームを社内に設置し、特に世界各国の規制とそのビジネスに及ぼす潜在的な影響を監視しています。たとえば、シスコは燃料とエネルギーに関する世界各国の税制を継続的に評価し、ビジネスリスクの特定に努めています。現在、シスコのビジネスに重大な影響を与えると考えられる規制要件はありません。しかし、将来想定される規制から重大な影響を受ける可能性があるため、このリスクに対する監視は継続します。

当社は、現在の環境関連の法律や規制、または審理中の気候変動関連の法律や規制が、制定されているものも起草中のものも、適用可能なものも、重大なリスクをもたらすことはないと考えています。また、既存のコンプライアンスプログラムや自主的に進めている気候関係のデータ収集と報告のために当社が負担しているコストの増加は軽微なものにとどまると考えています。しかし、当社は、将来において提案および施行の可能性がある気候変動関連の新たな法律または規制によって重大なコストが生じる可能性やビジネスが重大な影響を受ける可能性を予測できません。これはリスクとして残っていて、監視と評価を継続します。

テクノロジー 潜在的な影響:エネルギー効率の高い製品を継続的に開発するには、追加的な投資が必要になる場合があります。ただし、消費電力と放熱を管理することは長年の設計目標です。電力とスペースが限られた場所に収容するネットワーク機能が増加しているからです。
市場 潜在的な影響:情報技術に対する需要が継続的に増加している背景には、トラフィックの増加や、セキュアなネットワーク、アプリケーション、アナリティクス、接続環境の活用に関連したビジネスモデルと事業の成功があります。シスコ製品に必要な材料や部品を評価し、気候変動による異常なコスト圧力を受ける可能性を確認する予定です。
レピュテーション 潜在的な影響:シスコは 15 年以上にわたって自社の GHG 排出量の削減に取り組んでいて、自社の排出量削減に関連する過去の取り組みではその効果が実証されています。そのため、シスコの事業からの排出に関連して重大なレピュテーションリスクが発生することはないと予測しています。さらに、当社は、自社の製品がお客様の GHG 排出量に寄与するメカニズムが競合他社の製品と大きく異なることはないと考えていて、当社の製品の GHG 排出量に関連して重大なレピュテーションリスクが発生することはないと予測しています。さらに、当社は ESG に関連するイニシアチブ、目標、コミットメントを当社の年次パーパスレポート、Web サイト、SEC への提出書類などの中で公表しています。ESG に関連するコミットメントとしては、環境問題、多様性、責任ある調達、社会的投資、その他の事項に関するコミットメントがあります。ESG に関連するイニシアチブ、目標、コミットメントが実際に達成できなかった場合、もしくは達成できなかったと受け取られた場合、当社のレピュテーションへの悪影響や当社の事業での重大な損害が生じる可能性があります。
リスク:物理的リスク 短期的 潜在的な影響:シスコは、異常気象の深刻化による短期的な物理的リスクにさらされているとは考えられていません。
長期的 潜在的な影響:シスコは、異常気象の深刻化による長期的な物理的リスクにさらされているとは考えられていません。潜在的な影響としては、物流施設や車線が長期間利用できない場合のサプライチェーンの混乱が挙げられます。事業拠点である物理的な工場への影響は管理可能ですが、要員(住宅、水道、電力、通勤)への影響は継続的な(再)評価が必要になります。

シスコの気候関連の機会と財務面での潜在的な影響は以下のとおりです。

機会 気候関連の機会 潜在的な影響
機会:リソースの効率性 気候関連の機会:未加工原料の使用削減、リサイクル原料の使用増加。 潜在的な影響:循環型経済の原則の実現を通して原料資源の使用効率が向上することで、コスト削減と代替供給源の確保が実現する可能性があります。
気候関連の機会:事業および拡大された事業の範囲(サプライチェーン)におけるエネルギー効率の向上。 潜在的な影響:スコープ 1 およびスコープ 2 の削減目標を達成するためにシスコが行った投資の回収期間は 1 年未満から 5 年以上の範囲にあり、平均約 3 年半です。サプライチェーンのエネルギー効率を改善して GHG の絶対量の削減目標を達成すれば、同様にコストを削減できる可能性があります。
機会:エネルギー源 気候関連の機会:低炭素もしくは再生可能な電力源。 潜在的な影響:事業にかかるコストが削減され、さらに将来の化石燃料の価格上昇によって受ける影響が軽減されます。規制がある市場とない市場では状況が異なります。
機会:製品とサービス 気候関連の機会:エネルギー効率の高い製品。 潜在的な影響:8000 シリーズ ルータなど大幅に効率化された製品は、ネットワーク機器をアップグレードしてレガシー機器を廃止するお客様にメリットをもたらします。このメリットは、持続可能性目標もしくはネットゼロなどの GHG 削減目標を採用しているお客様の方が大きくなると思われます。そのようなお客様の多くはすでに 100 パーセント再生可能エネルギーにも取り組んでいて、アップグレードによってエネルギー消費量の増加に伴う GHG 排出への影響が軽減されます。
気候関連の機会:建物の効率的利用、出張の削減、テレワークを促進するシスコのソリューション。 潜在的な影響:

Cisco Webex、AnyConnect VPN、TelePresence などのリモートコラボレーション製品を活用して飛行機の利用を削減し日々の通勤に制限を設けることで、出張や通勤に関連した排出を削減できます。

シスコのスマート ビルディング ソリューションを活用することで、ハイブリッドワークを支えるスマートで持続可能な建物とワークスペースを構築できます。さらに、低電圧 Power over Ethernet(PoE)スマートスイッチを使用して建物の温度、照明、大気質などの監視と制御をネットワークベースで行うことで、エネルギー使用量を削減できます。

機会:市場 気候関連の機会:生活の多くの面を仮想化する文化の推進または変革。 潜在的な影響:上記の「製品とサービス」を参照してください。
機会:復元力 気候関連の機会:再生可能エネルギーの使用とエネルギー効率化対策の導入。 潜在的な影響:新たに設定したスコープ 1 および 2 の目標を達成するために、2023 年度から 2025 年度にかけて約 6,000 万米ドルを投資し、エネルギー効率、再生可能エネルギー、電動化の各プロジェクトを総合的に実施して排出量を削減する計画です。さらに、残ったスコープ 1 とスコープ 2 の排出量(10% 以下)に関しては、炭素隔離に投資することで相殺を図ります。再生可能電力の使用を増やすことは、シスコの戦略において目標達成に欠かせない最も重要な要素となっています。シスコの再生可能エネルギーの使用についての詳細は、再生可能エネルギーのセクションをご覧ください。
気候関連の機会:リソースの代替手段。 潜在的な影響: