社会的投資戦略

こうした投資は、シスコの非営利パートナーがテクノロジーを核とするソリューションを設計、提供するうえで効果を発揮し、事業運営の改善やサービスの行き届いていないコミュニティへソリューションを届けるために役立てられます。またパートナーが活動するコミュニティの成長に必要な条件も、この投資によって整えられます。

シスコは、次の 4 つの社会的投資重点分野における初期段階のソリューションに投資しています。

危機対応

シスコは、戦略的投資を通じて貧困と依存の連鎖を克服し、より持続可能な未来を実現することを目指しています。基本的なニーズが満たされた人は、学習して成功するためのチャンスをつかむことができます。十分なサービスが提供されていないコミュニティの重要なニーズにうまく対処している組織をシスコがサポートするのはそのためです。

教育へのアクセス

シスコの戦略は、教育への公平なアクセスを推進するテクノロジーベースのソリューションにインクルーシブに投資しながら、学生の成績、エンゲージメント、キャリア探求を向上させることです。私たちは、科学、技術、工学、数学（STEM）と識字能力を重視する初等および中等教育機関向けのソリューションをサポートしています。また、環境の持続可能性を教え、気候変動教育へのアクセスの障壁を取り除き、環境にプラスの影響を与えるために世界中の学生の参加を呼びかけるプログラムについても、投資対象と見なしています。

経済力向上

シスコの戦略は、人々が自分自身とその家族の回復力、自立、経済的安定を実現するために必要な知識、スキル、およびリソースへの公平なアクセスを提供する、テクノロジーを活用した初期段階のソリューションに投資することです。私たちは、個人と家族に利益をもたらし、地域コミュニティの成長、および持続可能な経済における経済発展に貢献するソリューションをサポートすることを目指しています。

気候への影響と再生

2021 年、Cisco Foundation は、ネットゼロまたは循環型/再生型経済、気候や環境意識に関する地域社会教育および関与、個人の習慣の変化と効果的な共同行動に向けた取り組みを推進する、革新的で想像力に富んだ気候ソリューションに、今後 10 年間で 1 億ドルを投資することを約束しました。これには、排出量の削減、捕捉、隔離、エネルギー効率の向上、グリーンジョブの創出、コミュニティの気候レジリエンスの構築を行う支援パートナーが含まれる場合があります。

社会的投資によるアプローチ

新しいテクノロジーの開発の初期段階に最も資金調達が必要であり、この段階次第で大きな差が出ます。テクノロジー企業であるシスコは、できるだけ多くの人に手を差し伸べるにはテクノロジーの力が重要であることを理解し、最も脆弱な人に手を差し伸べ、誰もがクライアント中心の効果的なソリューションに公平にアクセスできるように尽力しています。非営利パートナーは現金での資金調達やシスコテクノロジーの提供を受け、スタッフの時間と専門的な技術や知見を活用することで、次の目的にテクノロジーを応用できます。

• 個人およびコミュニティのニーズに応える革新的なソリューションの開発
• 概念実証の予備調査によるソリューションの実行可能性の検証
• 製品およびサービスの提供、品質、効率性、効果の向上
• 提供ユーザーの範囲拡大
• 複数の分野と世界への展開
• 社会的な影響の検証
• 財務的な持続可能性の実現に向けた前進
• データの活用によるより良い意思決定

また、継続的なコンサルティングや助言を行うほか、以下に挙げる分野をはじめとする専門的な知見も提供しています。

• 事業計画と戦略の策定
• 組織的なリーダーシップの能力
• 財務的な持続可能性の計画立案
• 効果測定と報告書作成
• ガバナンスと組織構造

重要な点は投資対象が確かに変化をもたらすソリューションであるということです。シスコは資金協力を行う非営利パートナーと密に連携し、そのソリューションが持つ有効性と効果を測定しています。パートナーは測定を通してサービスの改善点を見い出せるだけでなく、測定結果を他社からの資金調達に役立てることもできます。ここでは幅（サービスを届けることのできた人数）と深度（プログラムの影響力）の両面から測定を行います。深さの測定では、投資重点分野における 4 つの標準的な指標セットと、パートナーの社会目標に固有の独自指標を併用します。

また、シスコではソリューションをどこよりも必要としているコミュニティに届けられるよう尽力しています。助成を受ける非営利団体は、プログラムの受益者の少なくとも 65% が経済的に恵まれない人口グループ（低所得者、過小評価されているマイノリティ、社会的弱者（女性、若年層、人種または民族的マイノリティ、難民、国内避難民など））に属していることを申請時に証明する必要があります。助成を受けた団体は、四半期および年次の影響報告書を提出する際に、この点を再確認する必要があります。

社会的投資戦略

保証

シスコは 2025 年までに社会貢献のための助成金と独自のプログラムを通じて 10 億人に貢献するという公約を掲げました。2022 年度についてはこの目標を達成できていませんが、この取り組みを通じて 2016 年度から 2022 年度までの間に、のべ 8 億 4,800 万人に貢献しました。¹

社会起業家への支援

シスコは非営利団体への助成金に加えて、シスコの戦略の一翼を担う起業家精神を称える賞を立ち上げました。起業家やチェンジメーカーはこのコンペティションでアイデアを世界中に発信し、シスコからの助成金でアイデアを具体化して、成果の実現をもって社会に貢献できます。受賞者の詳細はこちらを参照してください。

インド助成金プログラム

シスコ最大のオフィスキャンパスの 1 つがあり、何千人もの従業員が働く場所として、インドはシスコの文化および社会的影響プログラムの重要な部分をなしています。シスコは、寄付、従業員の貢献、ボランティアを通じてインドの非営利団体を長い間サポートしてきましたが、主要なステークホルダとより効果的に協力するために、2015 年度に正式なプログラムを策定しました。インド助成金プログラムでは、人間に不可欠なニーズと危機対応、教育、経済力向上というシスコが重点を置く分野で活動している組織に資金を提供しています。組織に提供された資金援助に加えて、プログラムを支持している数名の従業員が組織にアドバイザリサービスを提供し、組織を指導することで、全体的な能力開発をサポートします。

プログラムの主力イニシアチブの 1 つは、アグリテックスタートアップ企業を対象とし、最初のコホートで成功を収めたアクセラレータイニシアチブである Krishi Mangal です。このイニシアチブの影響レポートでは、5 つのスタートアップの歩みと、現場での実装から得られた重要なポイントが示されています。アクセラレータの次のコホートでは、気候への影響に焦点を当てる予定です。

1 シスコから社会貢献のための助成金を受けた組織の一部は、他の組織からも資金提供を受けています。2022 年度のデータは現在、独立機関による限定保証を得ているところです。2016 年度から 2021 年度までの間にプラスの影響を受けた人についての前年度の報告の詳細については、シスコの報告基準および独立保証報告書（限定）を参照してください。2016 年度から 2021 年度までの保証報告書にアクセスするには、PDF ファイルをダウンロードし、Adobe Acrobat Reader で開いてください。条件に同意してクリックすると全文にアクセスできます。